赤旗2020年2月18日付
5%への緊急減税とくらし応援の「大胆な対策」を
日本共産党の小池晃書記局長は17日、国会内で記者会見し、昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)の速報値が前期比マイナス1・6%、年率換算でマイナス6・3%の大幅減少となったのは昨年10月の消費税増税が原因だと指摘し、増税で景気悪化した以上、「消費税の5%への減税とともに、社会保障充実や賃上げ、子育て支援など暮らし応援の政治に切り替えることを強く求めたい」と主張しました。
小池氏は、民間シンクタンクの予測を大幅に超える悪化だとして、「このままでは国民の暮らしは困難になり、日本は大不況に陥る」と強調。昨年1~3月期のGDPが対前期比プラス2・6%、4~6月期は同プラス1・9%、7~9月期は同プラス0・5%とだんだん下降し、消費税増税後の10~12月期には同マイナス1・6%となったことを示し、「わが党は景気下降局面での増税の中止を求めたが、耳を貸さずに強行した。安倍政権の大失政だ」と批判しました。
そして、「安倍晋三首相が同日の衆院予算委員会で、GDP減の原因は“暖冬と台風の影響”などとして消費税増税の影響を認めようとしなかったが、増税が決定的な悪影響を与えたことは間違いない」と指摘しました。
「桜」疑惑 首相答弁
「説明になっていない」
小池氏は、衆院予算委員会で立憲民主党の辻元清美議員らが「桜を見る会」前日に開かれてきた前夜祭にかかわるANAインターコンチネンタルホテル東京の回答を示して追及したのに対して、安倍晋三首相が辻元氏へのホテル側回答について「あくまで一般論で答えたもので、個別の事案は回答には含まれていない」と答弁したことについて、「これでは説明になっていない」と批判しました。
小池氏は、辻元氏の四つの質問にホテル側がすべて「ございません」などと回答していることに触れ、「ホテル側の回答は安倍首相のこれまでの回答を完全に否定している」と指摘。安倍首相が「一般論」と答弁したことについて、「一般論というが、辻元議員の質問は『2013年以降の7年間のすべてのパーティー・宴席について』の質問であり、『政治家および政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか』との質問に『ございません』と回答している。この答弁ではまったく納得できない」と強調しました。
小池氏は「安倍首相の答弁が虚偽であった可能性が強くなり、重大な事態に発展するのではないか」と述べました。
クルーズ船内の感染拡大
「政府の対応は大問題」
小池氏は、新型コロナウイルスへの感染が広がっている大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」からの自国民の救出を米国など各国が開始したことについて問われ、「それぞれの国の判断にはコメントしないが、クルーズ船へのこれまでの(日本)政府の対応には、非常に大きな問題があるといわざるを得ない」と指摘しました。
小池氏は、クルーズ船という閉鎖された空間で感染が爆発的に広がる危険性は予測可能だったはずだと強調。「速やかに検査して陰性になった人から順次下船させ、必要な経過観察を行うなどの対応を取っていれば、大量の感染者が発生する事態はなかったのではないか」と述べ、自身も船内の乗客から状況を聞き取り、厚生労働省に「下船の措置を急ぎ、乗客には正確な情報を伝えるように」と再三求めてきたことを明らかにしました。
その上で、加藤勝信厚労相が15日の会見で陰性の乗客を19日から下船させる方針を示したのに、乗客に伝えられたのは16日夕方だったことや、乗客有志で結成された「隔離者緊急ネットワーク」が17日に政府に出した要請書も、正しい情報が乗客にすぐに広報されていない実態の改善を求めていることも示し、大変な不安を抱えている乗客に寄り添った迅速で人道的な対応を求めました。
衆院静岡4区補選
浜岡原発廃炉の旗を掲げるしまづさんを野党統一候補に
小池氏は、衆院静岡4区補選(4月14日告示、26日投票予定)への野党統一候補の擁立について問われて、「野党の推薦・公認で現時点で立候補を表明しているのは、日本共産党の、しまづ幸広前衆院議員だけだ」と指摘しました。
同区補選をめぐっては、立憲民主党が候補者擁立を見送り、国民民主党が別の候補者の推薦を検討していると報道されています。
小池氏は「市民と野党の共闘でたたかうのがわれわれの方針であり、政党間の話し合いは必要だ」と述べました。同時に「大事な争点として、中部電力浜岡原発の『再稼働反対』『廃炉に』という旗をたてることが、静岡で選挙をたたかううえで不可欠だと考えている。そのことを訴えているのは、しまづさんだけだ」と語りました。