赤旗2019年11月7日付
世界の見方・革命論・連合政権…
日本共産党の小池晃書記局長は5日、インターネットテレビ局「Abema(アベマ)TV」のニュース番組「アベマプライム」に出演し、同日の日本共産党第8回中央委員会総会で採択した綱領一部改定案などについて語りました。
冒頭、綱領改定のポイントを聞かれた小池氏は、「世界の見方を正確なものにするため」として、特に中国による東シナ海と南シナ海での力による現状変更をめざす動きや覇権主義的なふるまい、ウイグル自治区や香港での人権問題などの行動が、社会主義の原則や理念と両立しえないと指摘しました。
司会の平石直之テレビ朝日アナウンサーが、「中国共産党の目指す共産主義・社会主義と日本共産党が目指す共産主義・社会主義は違うというメッセージとみていいか」と問いました。
小池氏は、「社会主義は本来、抑圧から解放され人間が自由に個性を発揮して生きていける社会です」としたうえで、中国の一連の動きをみれば社会主義をめざす探究をしている国と判断する根拠はなくなったと指摘。その上で日本共産党が第27回党大会(2017年)ですでに中国のこれらの動きについて「新しい覇権主義、大国主義のあらわれだ」と批判し、中国共産党にも直接その見解を伝えてきたことや、中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵入などについて抗議し、是正を求めていると紹介。一方で、この問題で安倍政権が正面から批判せず、まともな抗議もしていないと述べ、「そういう中で日本共産党が中国の問題点を正面から批判することには、国民の誤解を取りのぞくだけではなく、世界の進歩にとっても意味がある。その意気込みでこの問題は考えています」と語りました。
タレントで番組MCの小籔千豊さんは、「あかんもんはあかん、というようにしはったということですね」と述べました。
革命について問われた小池氏は、時どきの選挙で示された国民多数の合意で社会を変えていく日本共産党の革命論を説明しました。この中で、資本主義をどう考えているのかと問われました。
小池氏は、「いますぐ資本主義をやめると考えているわけではなく、労働者を保護する法律の整備や競争教育の是正など、資本主義の枠内で暮らしを守るルールを実現することはできると思います」と語りました。一方で、気候変動問題や、世界的規模で貧富の格差が広がり一握りの超富裕層に富が集中している問題などを根本的に解決するためには、「利潤第一主義の資本主義を乗り越えたシステムということも考えていかなければいけない」と述べ、人間の全面的発展が可能となる未来社会の展望を示しました。
視聴者から「なぜ即位礼正殿の儀を欠席したのですか。天皇が嫌いなのですか」との質問がありました。
小池氏は、憲法の全条項を守る立場から、天皇は国政に関する権能を有しないこと、政教分離、国民主権の原則に照らし、天皇の代替わりの儀式が憲法の精神に反するとして欠席したと説明し、「天皇の制度を認めないから、嫌いだからということではありません」と答えました。
小籔氏は「話を聞いたらきっちりされている。国民主権でうんぬんかんぬんと言ったら確かにそうやなと思います」と語りました。
番組の最後、野党連合政権の話題になり、野党各党の政策の違いが示され、小籔氏が「絶対途中でけんかするのが分かっているカップルが結婚しますというてる感じではありますけど」と問いかけました。
小池氏は、この間の選挙協力の取り組みなどを通じ、立憲主義・民主主義を守ることや、格差を拡大する政治をやめて暮らしを応援する政治にする、個人の尊厳を大事にして多様性を大切にしていくことなど「国づくりの大きな方向性はかなり一致してきている」と強調。一方で小池氏は「政権問題で合意をつくらなければ選挙で多くの国民は支持してくれない」と述べました。
小籔氏は、「ほんまそうです。政権とったらこないしますねんいうてくれて、その中身をみたときに8割ぐらいええなと思ったら入れますやん」と共感を示しました。
小池氏は、「そういう野党の党首会談をやろうと呼びかけています。一歩前に進めなければいけないと思っているのでぜひ実らせたい」と意欲を語りました。