「赤旗」2014年12月10日付
西アフリカを中心に感染拡大しているエボラ出血熱の問題で厚生労働省は9日、国内侵入を防ぐ検疫体制を強化するため、青森、高松、鹿児島など21カ所の空港に看護師などを検疫官として30人増員配置すると発表しました。来年1月から順次配置し、うち19カ所は検疫官が常駐します。
抜本的増員を求めた日本共産党の小池晃参院議員の国会質問(11月6日)を受けたもの。同省は検査体制強化へ、国立感染症研究所の研究員の2人増員も明らかにしました。
現在、検疫を行う空港は全国30カ所あるものの、11カ所では出張で対応しています。検疫官は定員(384人)割れしているうえ、24時間空港では3交代で対応するなど、増員を求める声が上がっていました。
小池議員は、海外渡航者が増加している一方、検疫所や感染症研究所の予算が年々削られてきた実態を示し、「総定員法の枠を外してでも、国民の生命と安全を守る検疫官の抜本的増員が必要だ」と追及。塩崎恭久厚労相は「ご指摘のように、検疫官の水際での守りが非常に重要だ。体制の確保を努めたい」と答弁していました。
日本共産党は総選挙政策で、感染症の研究・ワクチン開発体制の抜本的拡充や、地域の医療・保健体制の再建、水際検疫体制の強化などを掲げています。