赤旗2019年8月24日付
小池氏あいさつ
太平洋戦争が終わったあとソ連(現・ロシア)によって約60万人もの日本人がシベリアやモンゴルに強制抑留され、極寒の地での強制労働で亡くなった人たちを追悼する「抑留犠牲者追悼の集い」が23日、東京・国立千鳥ケ淵戦没者墓苑で開かれ、90歳を超えた体験者や遺族、関係者が参列しました。
8月23日は、ソ連の最高指導者・スターリンが強制連行の秘密指令を出した日です。シベリア抑留者支援センター世話人で、強制抑留を経験した新関省二さん(93)が主催者あいさつしました。「シベリア抑留は終戦の1945年8月15日以降に起きた事件です。亡くなった方は『英霊』でなく『拉致被害者』です」と強調し、「体験者がいなくなれば確実に記憶は風化します。それが心配です」と語りました。強制抑留の実態解明などの課題があるとしてシベリア特措法の見直しなどを求めました。
母方、父方の2人の叔父を46年2月にシベリアで亡くした小野ミチ子さん(81)が、2人をしのんで追悼の言葉をのべました。
来賓として、立憲民主、国民民主、公明の国会議員があいさつ。畑野君枝衆院議員とともに参列した小池晃書記局長が日本共産党を代表してあいさつしました。厚労省事業の遺骨収集が100年以上もかかるペースで遅れており、国家的事業として抜本的に強化し、ロシア政府にも正面から提起する必要があると強調。遺骨収集で「日本人の骨でなかった」とのニュースに触れ、「怠慢どころか、隠ぺいだ。この場に厚労大臣が来て謝罪すべきだ」と指摘しました。「元抑留者のみなさんが求めているように、追悼集会を国が主催する式典にすることが必要です。党派をこえて求めていきたい」とのべました。