赤旗2019年8月16日付
日本共産党の小池晃書記局長が15日に在日本大韓民国民団(民団)の「光復節」記念式典で行ったあいさつ(大要)は次の通りです。
皆さま、こんにちは。日本共産党の小池晃です(韓国語で)。
この日にあたって、日本の侵略戦争で犠牲となった2000万を超すアジアの人々、310万人の日本国民を追悼し、過ちを二度と繰り返させない決意を申し上げます。
この日はまた、韓国の皆さんにとって、日本帝国主義による植民地支配からの解放を記念する意義深い日にあたります。
日本共産党を代表して心からお祝い申し上げます(韓国語で)。
74年目の今日、日本と韓国の関係は厳しい状況にあり、私たちも大変憂慮しています。
皆さんは韓国人として、また日本社会の一員として、二重に心を痛め、苦労されているのではないかと思います。
今回、日本政府が、韓国をいわゆる「ホワイトリスト」から除外したことは、政治的紛争の解決手段として貿易問題を使うものであり、政経分離に反する禁じ手です。
日韓関係をいっそう悪化させる除外決定は、撤回すべきです。
日本と韓国の両政府は、対立をあおるのではなく、冷静な話し合いの場につき、解決策を見いだすよう、強く求めるものです。
「徴用工」問題について、日本政府は「1965年の日韓請求権協定ですべて解決済み」という立場です。
しかし、たとえ国と国との請求権が放棄されたとしても、被害者としての個人の請求権は残っています。そのことは日韓両国の政府も、最高裁判所も認めていることです。
私たちは、この一致点を大事にして、日韓両政府が話し合い、協力すれば、前向きの解決は可能だと提起してきました。
元徴用工の方々は、奴隷的労働を強いられた植民地支配と侵略戦争の被害者であり、高齢で亡くなられた方も少なくありません。
昨年の日韓・韓日議員連盟の合同総会共同声明にあるように、何よりも大切なことは被害者の方々の名誉と尊厳を回復することです。
そのために、ともに努力していきたいと思います。
両国の往来は、昨年初めて1000万人を超えました。若者をはじめ民間交流は、日本と韓国の友好を築く土台であり、希望です。
その中で皆さんは日韓友好にとって欠かせない存在です。
1998年の日韓パートナーシップ宣言には、「在日韓国人が、日韓両国国民の相互交流・相互理解のための架け橋としての役割を担い得る」とあります。
民団の皆さんの活躍がまさに期待されている時ではないでしょうか。
その皆さんに地方参政権がないことは、ありえないことです。一日も早い実現をめざし頑張る決意です。
ヘイトスピーチなど論外です。根絶のため国会と地方議会で引き続き取り組むものです。
未来志向の日韓関係に、対立も排外主義もいりません。
歴史の教訓をしっかり踏まえ、心の通う善隣・友好をつくろうではありませんか。
民団の皆さんとの交流、協力の発展を願い、あいさつといたします。
ありがとうございます(韓国語で)。