赤旗2019年7月18日付
日本共産党の小池晃書記局長は17日、安倍晋三首相らが連日のように応援に入り、激しく争っている参院1人区の青森、秋田、山形3県を駆け抜け、野党統一候補の必勝とともに、比例での共産党躍進を熱く訴えました。「安倍首相は共闘の中に共産党がいると批判するが、共産党がいるからこそ共闘はブレない。財界の圧力、米国の横やりにも屈せず、共通政策が実現できる」と力説しました。
紙智子比例候補は、日米貿易交渉で参院選後に「すばらしい発表ができる」とのトランプ米大統領の言明を挙げ、「国民に隠したまま農業を売り渡そうとする亡国の農政を止め、担い手が安心できる価格保障・所得補償の実現へ共産党を勝たせて」と力を込めました。
〈青森〉
小田切さとる野党統一候補(立憲民主党公認)は、小池氏らとがっちり握手し、「9条の枠を取り外し海外で自衛隊の自由、大胆な行動を可能にするのが安倍総理の野望だ」と改憲阻止を表明。「国民の意思は、10月の消費税増税に反対だ」と中止を求めました。
小池氏は、小田切氏が弁護士として憲法を守り、人権の擁護に奮闘してきたと強調。安倍首相が9条改憲の野望をあらわにし「改憲勢力が多数を占めたら“国民はゴーサインを出した”と発議へ暴走しかねない。『戦争する国』を許さず9条を守る勢力を伸ばしてほしい」と呼びかけました。
そして「減らない年金、暮らしに希望のもてる日本へ。比例は共産党への一票で、生きるための選択を」と訴えました。
岩渕友党参院議員も訴えました。
〈秋田〉
陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」配備が大争点となるもと、反対を明言する、てらたしずか野党統一候補(無所属)の必勝へ、「あきたの笑顔をつくる会」事務局長の寺田学衆院議員(立憲民主党)が駆けつけました。寺田、小池、紙3氏が握り合った手を高く掲げ、聴衆は盛大な拍手と歓声で呼応。寺田氏は「政府が県民の不安を力でねじ伏せるなら、県民の意思を示そう。秋田を守るため一緒に頑張ろう」と呼びかけました。
小池氏は、配備に向けた防衛省調査が山の高さを間違えるなどずさんで、「最初から秋田ありき」と批判。目的は「米国の基地防衛」だと告発し、「自民党候補は『ゼロからのスタート』というが、スタートでなくストップすべきだ。総額6000億円以上の国民の血税を使い、住民の反対を権力で押しつぶすやり方に、みなさんの一票でノーを」と訴えました。
〈山形〉
はが道也野党統一候補(無所属)はメッセージで「改憲勢力3分の2を絶対に阻止する。弱者の声を代弁できる野党勢力の大躍進を」と表明し、近藤洋介総合選対副本部長があいさつ。立憲民主党県連の石沢秀夫幹事長、「市民連合やまがた」の菊地若奈共同代表が「共闘の立役者の共産党にも飛躍を」とそれぞれ期待を語り、新社会党県本部の中村平治委員長がメッセージを寄せました。
安倍首相も同日、山形で小池氏に先立って街頭演説し、共産党攻撃に躍起となりました。
小池氏は「安倍首相は『野党は年金の財源を示していない』というが、私が参院決算委員会で富裕層・大企業の応分負担を求めたら『ばかげた提案』といった。だいたい政府は年金の財政検証の数字すら出していない。無責任なのは政府だ」と痛烈に批判し、「2000万円貯金するより1票で政治を変える方が簡単です」と強調しました。
また、「首相は、災害のときにまっさきに入っていく自衛隊を憲法違反だと言う共産党が(野党統一候補を)応援しているというが、全く的外れだ。いま問われているのは、自衛隊が違憲か合憲かではない。災害救助で汗を流す自衛隊を、海外の戦争に駆り立てていいのかだ」と指摘。安倍首相の改憲の狙いは米軍とともに自衛隊員の血を流させることを可能にすることだと指摘し、「首相に『災害救助で頑張る自衛隊』などと口にする資格はない。自衛隊員の命を守るため、集団的自衛権を行使させない、海外の戦争に送らないという願いを、はが候補へ、比例は共産党に託してほしい」と訴えました。