赤旗2019年7月11日付
【ワシントン=池田晋】米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は9日、イランとイエメンの沖合の海上交通路で民間船舶の航行を守る有志連合を結成するとして、今後およそ2週間のうちに参加国を見極める考えを示しました。関係閣僚との会合後、記者団へ語った内容をロイター通信が報じました。
トランプ大統領は先月、ホルムズ海峡付近でのタンカー攻撃事件を受け、中東産の原油に依存する日本や中国を名指しして、自国の船舶を自前で守るよう主張しており、自衛隊にも派遣要請が出されている可能性があります。
ダンフォード氏は、「ホルムズ海峡と、バベルマンデブ海峡の双方で、航行の自由を守る有志連合を結成できるか確認するため、現在多数の国と連絡を取っている」と説明。同氏は「われわれは、実際の(海域での)パトロールと、同伴での船舶護衛は他国が担うことを期待している」とも述べ、米軍は指揮艦と主要な監視能力のみ提供する方針を表明しました。米軍の負担の過大さを問題視し、同盟国へ負担増を迫るトランプ氏の意向を反映したものとみられます。
自衛隊派遣許されない
小池書記局長
日本共産党の小池晃書記局長は10日、京都府舞鶴市での街頭演説で、イランとの緊張を高めている米国が多国籍の有志連合結成を調整していると報道されている問題で、「日本の自衛隊を軍事行動に派遣することは許されない」と述べました。
小池氏は、舞鶴の海上自衛隊の補給艦「ましゅう」がかつてインド洋で米強襲揚陸艦に給油し、そこから米軍機がイラクやアフガンを爆撃した事実があること、同じく海自護衛艦「ひゅうが」が米カリフォルニア州沖で米海兵隊オスプレイの離着陸訓練を行ったことがあることを指摘。「憲法9条を守り抜いて、絶対に戦争する国にはしない。自衛隊を戦場に送り、日本の若者が米国の海外の戦争で血を流すようなことは許されない」と強調し、「皆さんの願いを、党派超えて日本共産党と倉林明子さんにお寄せください」と訴えました。