赤旗2019年7月3日付
日本共産党の小池晃書記局長は1日夜、TBSのBS番組「報道1930」に出演し、参院選に向けて、米朝首脳会談や年金問題などで各党代表と討論しました。
6月30日の米朝の電撃首脳会談について、小池氏は「歓迎すべき動きだ」と表明し、米朝に先立つ米韓首脳会談で「朝鮮半島の完全な非核化と平和体制の構築、米朝関係の正常化を同時並行的に履行することが重要だと確認しており、この方向こそ現実的な道だ」と強調。そのうえで、「6カ国協議の参加国の中で唯一、北朝鮮と会談が持てていないのがわが国だ」と指摘し、日朝平壌宣言を基礎に「日本外交も積極的な役割を果たすべきだ」と提起しました。
さらに、トランプ米大統領が日米安保について「不公平だ」と述べたことについて、安倍首相が著書で「日本の自衛隊は少なくとも米国が攻撃された時に血を流すことはない」と述べていると紹介し、「トランプ大統領と安倍首相の発言は一致しており、日米の軍事一体化を強めるものだ」と強調。「トランプ大統領が安倍首相は同意していると記者会見で述べた。この議論は憲法改定の狙いが米国と共に無制限の武力行使にあることを示すもので非常に危険だ」と警鐘を鳴らしました。
減らない年金に
年金問題の討論では、「マクロ経済スライド」による給付削減が焦点に。小池氏は「年金7兆円の削減か、マクロ経済スライドをやめ『減らない年金』にするかだ」と強調。与党は「老後の生活の柱としての年金制度はしっかりしている」(公明党・西田実仁参院幹事長)、「マクロ経済スライドで所得代替率50%は確保される」(自民党・下村博文改憲推進本部長)などと弁明しました。これに対し小池氏は、所得代替率で50%が確保されるのは、40年間、夫が正社員で妻が専業主婦という、年金の計算上最も有利なモデル世帯だけだと指摘。「厚生年金でも単身者の所得代替率は3割台だ。非正規の若者は国民年金で、所得代替率はさらに低い水準だ。そういう現状を正直に国民に示して議論すべきだ」と主張しました。
改憲望んでない
憲法問題では、小池氏は、安倍首相が国会に改憲の号令をかけるなど立憲主義を否定するもとで憲法を語る資格はなく、国民が改憲を望んでいない下で、憲法審査会を動かすべきではないと強調。そのうえで、安倍首相が6月30日のネット党首討論で、自身提案の「自衛隊明記」の9条改憲と「自衛権」を記すなどした自民党条文案との違いを問われたのに回答しなかったと述べ、「9条改憲の目的を説明することから逃げながら、参院選の争点について『改憲を議論する政党かどうか』などと述べるのは、争点そらしに他ならない」と批判しました。