世直しドクター奮戦記
世直しドクター奮戦記/参院東京選挙区小池晃さん/教室不足、カーテンで仕切り/飽和状態の特別支援学校
 特別支援学校(障害児学校)に通う子どもの急増と国の障害児教育予算の抑制により、各地で特別支援学校の教室不足がおきています。なかでも東京では、石原都政による学校統廃合などが加わり、深刻な事態が進んでいます。

 日本共産党の小池晃政策委員長・参院東京選挙区候補は8日、都内2カ所の特別支援学校で実態を調査しました。あぜ上三和子都議が同行しました。

 1978年に中野養護学校として開校した中野区の都立中野特別支援学校(鈴木和彦校長)は09年度現在で小・中・高等部計58学級302人の知的障害・発達障害などの子どもが学んでいます。最も人数が多いのが高等部で、中学校の通常学級からの入学が増えるなど生徒数が急増しています。障害の程度や特性に応じて、一人ひとりにあったきめ細かい指導や対応が求められます。

 小池氏らは、教室が足りないため中央をカーテンで仕切った空間に机を並べたり、狭い作業室や特別教室を通常の教室に転用せざるを得ない実態を目の当たりにしました。また生徒が職場での作業実習に臨むにあたり、あいさつや目標をみんなの前で発表する授業などを見学しました。

 小池氏が行政への要望を聞いたところ、鈴木校長は「生徒数が増えていることへの対応をお願いしたい。同時に小中学校での(障害のある子どもの)対応も考えないといけない」と話しました。

 2007年開校の杉並区の都立永福学園(小林進統括校長)では喫茶や調理、物流作業などの実習室を見て回り、卒業後の進路などについて聞きました。ここでも肢体不自由教育部門の子どもが増えており、近いうちに教室をカーテンで仕切って使わざるを得ないのではないかと説明をうけました。

 調査を終えた小池氏は「特別支援学校には教室面積などの設置基準が定められていないが、カーテンで教室を仕切るなど学び成長する環境として不十分すぎる。子どもの教育権を保障するための政策と予算を具体化して国の責任を果たすべきだ」と決意を語りました。

 (2010年02月10日、「しんぶん赤旗」)

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