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「いつでも元気 2005.7 No.165」より

Dr. 小池の国会奮戦記
Dr小池の国会奮戦記/なぜごり押しする?郵政民営化/庶民にとって大切な郵貯や簡保を奪って

 小泉首相がごり押しする郵政民営化。しかし、そもそもなぜ民営化なのか、疑問の声は大きくなる一方です。国民にとってどんな利点があるのか、まったく説明できていません。

日米の巨大金融資本の要求で

 それもそのはず。「民間にできることは民間に」とか「郵貯・簡保が民業を圧迫している」とかいいますが、民営化を要求しているのは日米の巨大金融資本だけ。結局、庶民にとって大切な郵貯や簡保を奪って、銀行や保険業界、アメリカの保険会社に明け渡すことが狙いです。

 「郵貯・簡保で集めた巨額のお金が、特殊法人や公共事業に使われているのがけしからん」とか、「できるだけ税金を使わない、小さな政府にするため」とかいいますが、まったくよくいうよと思います。

 郵便局はお金を集めているだけ。むだ遣いをしているのは政府や特殊法人ではありませんか。政府こそ、むだ遣いをやめろ、といいたい。それに郵政3事業は、創立以来ずっと独立採算です。税金を1円も使わずに、事業収入だけでやってきました。大銀行には公的資金を35兆円もつぎ込んだではありませんか。そのうち10兆円は戻ってきません。

3本足の事業で成り立つ

 「民営化しても郵便については全国一律サービスを守る」といいますが、手紙などを集配する「郵便」、庶民の少額貯蓄を扱う「郵便貯金」、手続きが簡単な「簡易保険」。この3つの事業があって、初めて郵便局の経営が成り立っている。いわば3本足のイスです。足を1本でも取ったら倒れてしまいます。郵貯・簡保が撤退する地域の郵便局は、廃止に追い込まれる危険が高いのです。
 ドイツも郵便と貯金を分離して民営化しましたが、過疎地で貯金が撤退したために郵便局は半分以下に減ってしまい、いまになって法律を手直ししています。

 3つの事業を行なうことで、郵便局は、民間にはやれないことをこれまでもやってきたのです。

支払い保証もなくせとまで

 過疎地域では、郵便局だけが頼りというところがたくさんあります。農協や漁協も含めた民間金融機関は最近6年間で店舗の数を約2割、1千店舗も減らしています。都市部でも、銀行は店舗をどんどん閉鎖してATMに置き換えています。

 郵便局はどんな少額でも大切に、手数料なしで庶民の財布として役立っていますが、銀行は預金の引き出しにも両替にも手数料をとる。一定の金額以下の口座からは「口座維持費」を取るところまで現れました。

 米国生命保険協会会長は、2月に自民党の与謝野馨政調会長と会談し、簡易保険の扱いについて、現行の政府による支払い保証などをやめ、他の民間生命保険会社と同一の競争条件とするよう要請。与謝野氏は「(民営化した場合は)当然、そうなる」と答えたと報道されました。

 民営化し規制緩和で自由競争。このつけの悲劇が、JR西日本の事故でした。民営化万能ではないのです。

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