(写真)ナイジェリアの代表と=7月31日(松本眞志撮影)
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チュニジアに到着したのは、七月二十九日の夕方でした。五年前の大会に参加した不破哲三前議長の一行が空港に着いたときの気温は四五度だったとのことで、そうとう覚悟はしていたのですが、今年は二九度。それでも日差しの強さは痛いほどでしたが、日陰に入るとぐんと涼しくなります。
私たち日本共産党代表団は毎日、雲ひとつない青い空と青い海にかこまれ、北アフリカのイスラム国、チュニジアの人々からの温かいもてなしを受けました。
若者・女性が目立つ党大会
三十日から始まったRCDの大会は、広い会場が四千人もの代議員でうめつくされ、熱気にあふれていました。大会初日のベンアリ大統領(RCD党首)の演説では、若者や女性の国づくりへの参加が強調されました。演説は拍手や歓声でたびたび中断するのですが、五年前の前回大会で示された、国会議員や党役員での女性の比率を25%にするという目標を、「30%に引き上げる」という演説のくだりでは、とりわけ大きな拍手がわきおこりました。
大会全体の印象としても、若者と女性が、多いというだけではなく活気にあふれ、とても目立っていました。最年少代議員として紹介されたのも女性で、国内団体代表のあいさつでも女性団体代表の演説が最も会場を沸かせていました。
歴史的にはイスラム教とキリスト教の文明の交差点に位置するチュニジアは、現代ではヨーロッパとアフリカの交差点で独自の立場で外交に取り組んでいます。今回の大会でも、パレスチナ問題の解決に役割を果たすことや、ヨーロッパ、中東、アフリカの地域連合としてこの七月に発足した地中海連合の発展に貢献することも強調されました。
教育を力に豊かな国へ
現在、アフリカ経済は全体として高成長が注目されています。その原動力は多くの場合エネルギー資源などによるとされます。
チュニジアは資源が乏しい非産油国ですが、世界経済フォーラムが報告した『経済競争力報告2007―08』によると、アフリカのなかでは競争力が第一位。教育に力を注いできたことが要因の一つだといわれています。一方、失業問題など矛盾も生まれており、今回の大会では、「大卒者の失業問題克服が国家の優先課題」だと強調されました。
こうした困難を抱えながらもチュニジアでは、豊かな国づくりが着実に進んでいるように感じました。そのことは、今回実際にこの国を訪れてみて、町なみの美しさ、整備された清潔で快適な道路、人々の表情などからもうかがい知ることができました。
チュニジアの人々とはもちろん、大会期間を通じて、多くの海外代表と交流を深めてきました。八月二日までに、二十一カ国代表と交流。うち十カ国がアフリカの国々です。コートジボワール、ブルキナファソ、ナイジェリア、タンザニア、セーシェル、セネガル―など。なじみのない名前に、すぐにはどこにあるのか頭に浮かばないこともたびたびでした。
今回初めて日本から自民党の代表団も参加していたのですが、初日の午前中に出席しただけで、その後は独自の行動をとったようです。結果として、日本共産党代表団が「日本代表」としての役割を一手に引き受けることになりました。
RCDがチュニジアの政権党ということからでしょうか、海外代表も政権党が多く、野党や「左翼政党」はむしろ少数派。それでも「日本共産党です」とのあいさつに、返ってくる答えは、「それはいい」「交流できてうれしい」との歓迎の言葉であり、「反共」の壁をまったく感じさせないものでした。
対話でも「党員数は?」「国会議員数は?」と相次いで質問攻めにあい、「しんぶん赤旗」の読者数や「毎日発行して、党員が配達している」との説明には誰もが目を丸くして驚きました。最後には、「これからも交流を深めたい」とお互いがかたい握手。この繰り返しでした。遠いチュニジアの地でも、友好と交流を広げ、日本共産党の息吹を伝えていくことの大切さを感じた大会でした。(参院議員・党政策委員長)